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■指揮者 西脇義訓さんの挑戦
伯父、故高城重躬の縁により、2003年に西脇義訓さんと福井末憲さん(N&F)に、母曄子とのジョイントCDでお世話になってから、 13年経ちます。
2回、ハープの録音をして頂き、ホールの響きを自分の楽器として捉える事を徹底的にお教えくださったN&Fの録音プロデューサー西脇義訓 さんが、2013年に指揮者デビューをしました。
この事を知った時、ビックリはしましたが、それと同時にやっぱり!と思ったのを想いだします。
とてつもない御才能に以前から、この方、一体何者なのかしら?と生前の母曄子と話していました。
母が生きていたら、やはり、「やっぱり!」と喜んだ事でしょう。
新作CD
西脇義訓さんのCDです
世界で唯一、指揮と録音ディレクターをお一人で兼ねている西脇義訓さん指揮によるデアリング東京オーケストラが、5枚目のCDをリリースしました。
今回は、モーツァルト。
ジュリアード弦楽四重奏団 第一Vnのジョセフ・リンとの共演による
ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」。そして、西脇さん指揮の交響曲第29番です。
以前から思っていましたが、西脇さんの音楽は、彼の個性である全く我が入っていない
自然体な演奏で、聴いていて気持ちが良く、ジョセフ・リンの特に自作のカデンツは、
アプローチがとにかく物凄い!
福井末憲さんの録音も素晴らしいので、是非、多くの方に聴いて頂きたいです。
ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」録音風景
交響曲第29番 録音風景
2017年 3月 更新
オケの配置は従来の指揮者に対しての半円形ではありません。
第一弾のブルックナーでは、奏者は碁盤の目のように全員前を向き、演奏をします。
指揮者を見るのではなく、ホールの空間に響いている演奏を究極に良く聴きながら演奏をします。
勿論、世界中見渡しても、このようなオーケストラはありません。
ベートーヴェン「英雄」の配置はクァルテット式!
当然、指揮者に対して後ろを向いている奏者もいるわけです。
目で合わせるようなアンサンブルとは異なり、オケの奏者お一人お一人の湧きあがる自発的な演奏を聴くことができます。
以前、メゾソプラノ稲田マキさんのCD「小さな空」において録音をしていただいた時、西脇さんが、稲田さんを見ないで弾いて下さい、
何なら、ハープを稲田さんとは逆方向に置いて下さい、とつぶやかれ、ビックリしたのを想いだします。
第四弾となるメンデルスゾーン「スコットランド」はヴィオラが最前列。
木管は横一列、しかも隣は違うパート!
メンデルスゾーン「スコットランド」録音風景
でも、「スコットランド」の演奏を聴き、配置の事など語るのは、どうでも良くなりました。
何故なら、ただ、ただ、ひたすら良かったから。
武満全集など数多く手がけていらっしゃる超名エンジニア、福井末憲さんの録音も、当たり前のことではありますが、本当に素晴らしかったです。
このような素晴らしいCDを聴きますと、ディスク文化の必要性、貴重さを真に思い、それを担っている彼らを改めて深く尊敬をしています。
メンデルスゾーン「スコットランド」録音風景
2016年 2月 更新
涌井純子 ( 正しくは純の字に旧草冠がつきます。)